LPの作り方を9ステップで解説!費用・期間・制作時の注意点
LPを制作したいマーケティング担当者の方向けに、LPの作り方を全6回でお伝えする「LP制作講座」。第2回となる今回は、LPを作る具体的なステップやLPの作成手段、LP制作にかかる費用・期間の目安について解説します。
なお、「LPとは何か?」という基礎知識から学びたい方や、BtoBのLPの型について知りたい方は、前回の第1回の講座を参考にしてください。
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LPの作り方|基本の9ステップ
コンバージョンにつながるLPを作るためには、いきなりキャッチコピーやデザインといった内容から考え始めるのではなく、まずはLPの目的や目標を明確化することが大切です。
はじめからコピーやデザインを決めようとしても、目的や目標が不明確な状態では適切なアイデアが出にくく、修正や手戻りが増えるなどかえって時間や手間がかかってしまいます。
一方、目的や目標を明確化し、さらにペルソナ設定や競合調査に取り組めば、LP制作をスムーズに進めることが可能です。
ここでは、LPを作る手順を次の9つのステップに分けて解説します。
- LPを作る目的・目標の設定
- ペルソナの設定
- 競合調査
- 訴求方法の検討
- 構成作成
- ライティング
- デザイン
- コーディング
- 公開
①LPを作る目的・目標の設定
まずは、LPを作る目的と目標を設定しましょう。
何を目的とするかによって、LPで伝えるべき内容が変わります。例えば、「メルマガ登録」が目的のLPと、「商品の販売」が目的のLPでは、商品販売のLPのほうが心理的なハードルが高く、ユーザーの不安を払拭するためにより多くの情報を盛り込む必要があるでしょう。
LPの目的には、次のようなものが挙げられます。
- サービス資料やホワイトペーパーのダウンロード
- 商品の購入
- 問い合わせ
- メルマガ登録
LPの目的が決まったら、目標となる数値も設定しましょう。資料請求数やホワイトペーパーのダウンロード数、商品購入数などが、目標の例です。
目標となる数値を設定すると、LPの運用をスタートしたあとの成果を定量的に判断し、改善していくことができます。
②ペルソナの設定
次のステップは、ペルソナの設定です。ペルソナとは、自社がターゲットとするユーザー像のことを指します。例えば、Webサイト制作ツールを販売するためのLPであれば、「自社で手軽にWebサイトを作りたい〇〇業のマーケティング担当者」などがペルソナになります。
ペルソナ設定が重要な理由は、LPで伝えるべき内容やデザインの方向性などを定めるためです。どのようなユーザーをターゲットにするかが明確になるほど、より響くコピーやデザインが考えられるようになります。
ペルソナ設定では、ユーザーの属性や抱えている課題などをリストアップしましょう。個人の消費者がターゲットとなるBtoCでは、年齢や家族構成、趣味、休日の過ごし方といったパーソナルな情報まで深掘りすることが効果的です。
一方、企業がターゲットとなるBtoBの場合は、パーソナルな情報よりも組織としての課題などを重点的に洗い出します。下記の例のように、ターゲット企業の業界や事業規模、担当者の職種、解決したい課題などを明確化しましょう。
【ペルソナ例①】
業種:ITサービス(ソフトウェア開発) |
【ペルソナ例②】
業種:製造業(自動車部品製造) |
上記の項目以外にも、自社のターゲット像を明確化するために必要な情報があれば、リストアップしてみましょう。
③競合調査
次に、競合他社についての情報を整理していきます。LPを作る上で競合調査を行うべき理由は、差別化できるポイントを明確化するためです。自社とターゲットが同じ競合他社が、LPでどのような訴求を行っているかを調査することで、自社がアピールできる強みを考える際の参考になります。
競合他社のLPを調査する際に見るべき主なポイントは次の通りです。
- ターゲットユーザー
- キャッチコピーで訴求している強みやメリット
- LPで何をオファーしているか(資料請求や商品購入など)
④訴求方法の検討
ここまでに整理したペルソナと競合の情報をふまえて、ターゲットをコンバージョン(CV)に導くために効果的な訴求方法を検討していきます。自社のターゲットに資料請求や商品購入などのアクションを取ってもらうために、何を伝えるべきかを考えましょう。
例えば、コストパフォーマンスを重視している企業の担当者がターゲットで、競合よりも自社のほうがコスト面で優位な商品・サービスを提供しているなら、その点をメインに訴求することが効果的でしょう。
また、ツールの使いやすさを重視しているターゲットに対しては、LPの中で実際の操作画面を見せたり、無料のトライアルやデモをオファーしたりする方法が考えられます。
自社の目的、ターゲットのニーズ、競合のLPの内容を考慮して訴求方法を検討しましょう。
いくつかの案が思い浮かんだ場合は、この段階で無理に1つに絞り込む必要はありません。CVにつながりそうな訴求方法が複数あれば、各パターンのLPを制作して成果を比較し、良かったものを残す「ABテスト」の実施がおすすめです。
⑤構成作成
訴求方法が固まったら、次にLPの「構成」を作成していきます。構成とは、LPで何をどのような順番で伝えるかを文章で示した骨組みのことです。構成を作っておくことにより、この後のライティングやデザインといったステップを適切かつスムーズに作れるようになります。
1つ前のステップで決めた訴求方法を実現できるように、構成を作っていきましょう。
構成の段階では、LP冒頭のキャッチコピーや、各段落の見出しのみを作っていくことが一般的です。より詳細に作りこむ場合は、各段落で伝えたい内容を箇条書きで示したり、レイアウト案や使用する画像などをメモしたりすることもあります。
構成からライティング、デザインまでを同じ人が担当する場合は、それほど詳しく作りこむ必要はありません。一方、ライティングやデザインを他の人に依頼する場合は、認識のズレを防ぐためにも構成をしっかりと作りこんでおくことが大切です。状況に応じて、構成に盛り込む情報量を調整しましょう。
BtoBのLPでは、次の5つの要素に分けて構成を作ることがおすすめです。
- ファーストビュー
- 興味・関心
- 説得・エビデンス
- 信頼
- クロージング
これらの要素を含んだ構成を作ることで、ユーザーの興味・関心を効果的に高め、CVを促しやすくなります。
BtoBのLPの基本的な構成や、各要素に盛り込むべき情報については第1回の講座で解説していますので、ぜひ併せて参考にしてください。
⑥ライティング
ここからは、LPに掲載する文章を実際に書いていくライティングの作業です。構成に沿って、LPの本文を執筆していきます。
LPのライティングで重要なポイントとして、ユーザーが知りたい情報や、ユーザーにとって役に立つ情報を伝えることが挙げられます。商品・サービスのスペックや強みといった企業側がアピールしたい情報をそのまま書くのではなく、それらが「ユーザーにとってどのように役立つのか?」を意識してライティングしていきましょう。
例えば、
〇〇種類以上のオプション機能が選べます
という企業視点の表現よりも、
必要な機能だけを選べるから使いやすくてリーズナブル
というユーザー視点の表現のほうが、メリットが伝わります。
また、文章はできるだけ簡潔にしましょう。基本的には、1つの文章につき1つの意味を伝える「一文一義」と呼ばれる書き方がおすすめです。
例えば次のように、1つの文章の中に伝えたいことが複数入ってしまっていると、意味がわかりにくいのではないでしょうか。
【NGなライティング例】
このツールでは御社にとって必要な機能だけを選んで利用できるため運用にかかるコストを最小限に抑えられてリーズナブルなだけでなく、使い方も簡単に理解することが可能です。
これを、一文一義で書き直すと次のようになります。
【分かりやすいライティング例】
このツールでは御社に必要な機能だけを選んでご利用いただけます。そのため、運用コストを最小限に抑えることが可能です。さらに、ツールの使い方も簡単に理解できます。
一文で伝える情報を1つに絞りつつ、「そのため」や「さらに」などの言葉でつなぎました。NGな例と比べると、意味を読み取りやすく感じられたのではないでしょうか。
一文一義以外にも、LPのコピーを分かりやすくするためのコツは複数あります。例えば、次のようなポイントが重要です。
- 専門用語ではなくユーザーにとって理解しやすい用語を使うこと
- 具体性を高めること
- 数字を使って客観性を高めること
- 不要な言葉を削ること
これらを意識すると、LPの内容が伝わりやすくなり、コンバージョンへの導線がスムーズになります。
LPのキャッチコピーの詳しい書き方については、第4回の講座で解説しますので、ぜひ参考にしてください。
⑦デザイン
LPのライティングが完了したら、次にデザインを作っていきます。デザインのステップで決めるべき内容は次の通りです。
- キャッチコピーや見出しに使用するフォントの種類やサイズ
- 使用する画像(商品写真など)
- レイアウト
- 配色
- CTAのボタンやフォームのデザイン
Webデザイン向けの画像作成ツールや、LP制作ツールなどを使って、画像データとしてLPをデザインしましょう。使いやすいLP制作ツールなら、Webデザインの知識が無い方でも簡単な操作でLPをデザインできます。
LPのデザインでは、特に伝えたい情報を目立たせて分かりやすくすることが重要です。例えば、下記のデザインでは「サイト制作から運用までこれ1つ」というコピーが目立つように、文字のサイズにメリハリをつけています。
また、ターゲットユーザーや扱う商材に合わせてフォントや配色を選ぶことや、図解やイラストを使って内容が視覚的に伝わるように工夫することも、LPをデザインする際のポイントです。
⑧コーディング
「コーディング」とは、画像データとしてデザインしたLPを、Webブラウザで表示できる形式にする作業です。主に、HTMLやCSSなどのプログラム言語を使って、LPのソースコードを記述していきます。また、ボタンをクリックしたときの挙動や、申し込みフォームの項目なども、コーディングの段階で設定します。
コーディングの作業には、基本的にはWebデザインやプログラミングなどの専門知識が必要です。ただし、使いやすいLP作成ツールを活用すると、Webデザイナーやエンジニアではない方でも簡単な操作でLPを作成できます。
⑨公開
LPのコーディングが完了したら、Web上にアップロードして公開しましょう。LPを公開してアクセスを集める方法には、次のようなものがあります。
- Web広告のリンク先としてLPのURLを設定する
- 企業のWebサイトからLPへのリンクを張る
- SNSアカウントやメルマガでLPのURLを告知する
また、LPの公開後は「アクセス解析ツール」や「ヒートマップツール」などを用いて、効果測定をすることが大切です。アクセスしたユーザーの数やCVの件数、どこまでスクロールされたかなどを測定し、最初のステップで立てた目標に向けてLPを改善していきましょう。
LPの作成手段
ここまでに紹介したステップでLPを制作する手段は、大きく分けて外注・内製に分けられます。さらに、内製する方法はエンジニア・デザイナーに依頼するか、マーケティング担当者がLP制作ツールを使って自作するかのいずれかです。
ここでは、LPの作成手段を次の3つのパターンに分けて、それぞれのメリット・デメリットを紹介します。
- 制作会社に外注する
- 社内のエンジニア・デザイナーに依頼する
- LP制作ツールで自作する
制作会社に外注する
制作会社に外注するメリットは、クオリティが高まりやすいことです。経験豊富なプロに構成やコピー、デザイン、コーディングなどを任せれば、高品質なLPが期待できます。また、社内にリソースが無くてもLP制作に取り組めることも、外注のメリットです。
一方、デメリットとして、制作や公開後の修正に費用がかかることが挙げられます。また、担当者とのコミュニケーションに時間がかかることにも注意が必要です。さらに、制作会社によって得意分野が異なるため、自社に合う制作会社を選定する手間がかかります。
社内のエンジニア・デザイナーに依頼する
社内のエンジニア・デザイナーに依頼してLPを内製するメリットは、外注と比べてコストを抑えられることです。また、すでに自社の商品・サービスへの理解がある場合が多く、外注するよりは説明の手間が省ける傾向があります。LP制作における知見やノウハウを社内に蓄積できることも、内製のメリットです。
デメリットとして、社内のリソースを圧迫してしまうため、通常業務が忙しい時はLPの制作や修正を依頼しにくいことが挙げられます。また、LP制作の専門業者と比べると、クオリティが低くなる可能性があります。
LP制作ツールで自作する
LP制作ツールでマーケティング担当者がLPを自作するメリットは、他の担当者とのやり取りが不要なため、LPの制作や修正を短期間で進められることです。また、外注と比べてコストを抑えられ、LP制作の知見やノウハウも蓄積できます。
一方、LP制作ツールで自作するデメリットは、実現できるデザインや機能に制限があることです。また、外注費用はかからないものの、ツールの利用料金は発生します。
LP制作にかかる費用相場と期間の目安
どの制作手段を選ぶ場合も、LP制作にかかる費用や期間は気になるポイントではないでしょうか。
LP制作の費用や期間は、制作手段によって異なります。制作手段ごとの費用と期間の目安は次の通りです。
費用相場 |
期間の目安 |
|
制作会社に外注 |
30万円~100万円程度 |
21日間程度 |
社内のエンジニア・ |
15万円~20万円程度(人件費) |
14日間程度 |
LP制作ツールで自作 |
2万円~3万円程度(人件費+ツール利用料) |
2日間程度 |
ここでは、3つの制作手段に分けて、費用相場と期間の目安を解説します。
制作会社に外注する場合
制作会社に外注する場合は、1つのLPを作成するための外注費として30万円~100万円程度の費用がかかります。料金設定は制作会社によって異なり、情報量が多いLPほど料金が高くなることが一般的です。また、LPを後から修正する際には、追加料金が発生します。
かかる期間の目安は、21日間(3週間)程度です。構成やライティング、デザインなど、各ステップで確認のためのやり取りが発生するため、LPの完成までに比較的時間がかかります。
社内のエンジニア・デザイナーに依頼する場合
社内のエンジニア・デザイナーに依頼する場合にかかる費用は、15万円~20万円程度が目安です。外注費用はかからないものの、エンジニアやデザイナー、マーケターの人件費が発生します。
制作にかかる期間の目安は、14日間(2週間)程度です。ただし、通常業務の繁忙期など、社内のリソース状況によってはさらに時間がかかる場合があります。
LP制作ツールで自作する場合
LP制作ツールで自作する場合の費用の目安は、2万円~3万円程度です。マーケターの人件費と、LP制作ツールの利用料金が含まれます。
制作にかかる期間は2日間程度と、3つの手段の中では最短です。マーケター1人でLP制作を完結でき、コミュニケーションの手間がかからないため、短期間でLPを制作できます。制作期間が短いため、マーケターの人件費も抑えることが可能です。
LP制作ツールには様々な種類があり、ツールによって機能や使いやすさ、料金設定が異なります。そのため、自社に合ったツールを選ぶことが重要です。
ツール選びの基準として、「BtoBか、BtoC ECか」といった用途による選び方や、「誰でも使えるか、エンジニア・デザイナー向けか」といった利用者による選び方などがあります。
LP制作ツールの選び方については、第6回の講座で詳しく解説しますので、ツールを使った内製を検討したい方はぜひ参考にしてください。
LPを作る際の注意点
最後に、CVにつながるLPを作るための注意点を確認しましょう。どのような手段で制作する場合でも、次のようなポイントを意識することが大切です。
- ファーストビューでターゲットの興味を引く
- デバイスによる見え方の違いを確認する
- デバイスによる見え方の違いを確認する
ファーストビューでターゲットの興味を引く
LPの冒頭部分であるファーストビューは、LPにアクセスしたユーザーが最初に目にする部分です。この部分でユーザーの興味を引くことが、本文を読み進めてもらうために重要です。
ファーストビューで離脱されてしまうと、その下の要素をいくら改善しても見てもらえず、CVにつながりません。そのため、まずはファーストビューで興味を引き、画面をスクロールしてもらうことに注力しましょう。
特に、ファーストビューのキャッチコピーは、興味を引き付けるために大事な要素です。LPのキャッチコピーの書き方については、第4回の講座を参考にしてください。
デバイスによる見え方の違いを確認する
2つ目の注意点は、デバイスによる見え方の違いです。LPを表示するデバイスによって、1行に表示できる文字数や、画像の大きさなどは異なります。PCでは見やすくてもスマホからは読みにくいなど、見え方の違いに注意が必要です。
レイアウトや画像サイズなどが自動で調整される「レスポンシブデザイン」でLPを作れば、デバイスごとに見え方を最適化できます。あるいは、PC用とスマホ用でLPを分けて作ることも、見え方を調整する方法の1つです。
実際に複数のデバイスでLPを表示して、見え方の違いを確認しながら制作を進めましょう。
複数のLPを作ってABテストを行う
3つ目の注意点は、複数のLPを制作することです。LPは、1つ作って終わりというわけではありません。異なるパターンのLPを作って成果を比較する「ABテスト」を行い、改善を継続していく必要があります。
ABテストを行うべき主なポイントは次の通りです。
- キャッチコピーの文言
- ファーストビューのデザイン
- 伝える情報の順番
- CTAの内容
- ボタンのデザイン
- フォームの入力項目
ABテストを行い、LPのコンバージョン率(CVR)をアップさせる方法については、第5回の講座で詳しく解説します。
LPの作り方のポイントをおさらい
- LPを作る前に目的や目標、ペルソナ設定、競合調査などの準備が大切
- 訴求方法や構成を決めた上でライティングやデザインへと進める
- LPの作成手段は、制作会社への外注や自社での内製のいずれか
- 内製はエンジニア・デザイナーへの依頼のほか、LP制作ツールによる自作も可能
- 制作手段によって費用相場や期間の目安が異なる
今回は、LPの作り方について解説しました。9つのステップに沿って、CVにつながるLPを制作していきましょう。
以下の資料「LP作成ツールの選び方ガイド」では、自社に合うLP作成ツールを選ぶための方法や注意点について詳しく解説されています。LP作成ツール選びに役立つチェックリストも付いていますので、LPを自作したいマーケティング担当者の方はぜひダウンロードして参考にしてください。
次回、第3回の記事では、CVを増やすために押さえておきたいLPと広告の関係や、リスティング広告に合うLPの作り方について解説します。
全6回 LP制作の基礎講座
第1回 LP(ランディングページ)とは?成果を出すための基本知識と構成
第2回 LPの作り方を9ステップで解説!費用・期間・制作時の注意点(本記事)
第3回 LPと広告の関係は?リスティング広告に合うLPの作り方
第4回 LPのキャッチコピーの作り方具体例を交えてポイントを解説
第5回 LP改善のチェックポイント| LPOに役立つツールも紹介
第6回 LP作成ツールの選び方 | 失敗しないための注意点