LP改善のチェックポイント| LPOに役立つツールも紹介
「LPを作ったけれど思うようにコンバージョンにつながらない」ということは、BtoBマーケティングでよくある課題です。コンバージョン率(CVR)を高めるためには、LPや広告の内容を改善する必要があります。
LPの作り方について全6回で解説する「LP制作講座」の第5回目となる今回は、LPや広告を改善してCVRを高める方法や、LPの改善(LPO)に役立つツールなどを紹介します。
LPをこれから作る方や、CVRを高める方法を模索している方はぜひ参考にしてください。
目次[非表示]
LPのコンバージョン率(CVR)改善が重要な理由
まずは、マーケティング施策に取り組む上でLPのCVRを改善するべき理由を押さえておきましょう。
CVRが低い状態で、LPへのアクセス数を増やしても、コンバージョンを効率的に獲得することができません。Web広告などでコストをかけてアクセスを集める場合は、費用対効果が悪くなってしまいます。
高い費用対効果でリード獲得数や集客数を増やすために、LPのCVRを改善しておくことが重要です。
それでは、CVRを改善するには何をすればよいのでしょうか?CVRを高める方法には、大きく分けて「広告の改善」と「LPの改善」の2つがあります。それぞれの方法について見ていきましょう。
広告を改善してCVRを高める方法
LPへのアクセス流入元である広告に問題がある状態では、LPのほうをいくら変更してもCVRを高められません。そのため、まずは広告の改善から取り組むことがおすすめです。
広告の改善でCVRを高める方法として、次の3つが挙げられます。
- 広告とLPの関連性を高める
- キーワードを変更する
- ターゲットを変更する
広告とLPの関連性を高める
広告文で訴求している内容とLPの内容を合わせて、関連性を高めましょう。
広告とLPの内容がズレていると、ユーザーが混乱し離脱してしまう可能性があります。そのため、広告とLPの関連性を高めることが重要です。
例えば、LP作成ツールを販売するページで、「ツールの使いやすさ」や「LPを量産できること」を訴求しているとします。この場合、広告文やバナー画像でも、同様の訴求を行うことが重要です。
ただし、広告文とLPのコピーは、必ずしも完全に一致させる必要はありません。広告文には「LPが自社で作り放題」と訴求し、LPのキャッチコピーで「LPの作成・量産が自社でサクサク」という別の表現を使ったとしても、広告とLPの関連性は高いといえます。
ディスプレイ広告などのバナー画像については、配色や使用する画像などをできるだけ揃え、デザインに統一感を持たせましょう。
キーワードを変更する
広告の改善でCVRを高める2つ目の方法は、広告を出稿するキーワードの変更です。検索エンジンの結果画面に表示される「リスティング広告」では、CVにつながりやすいキーワードと、つながりにくいキーワードがあります。
例えば、商品・サービスの名称や種類を表すキーワードは、ニーズが高い顕在層のユーザーが検索する傾向があり、CVにつながりやすいと考えられます。
一方、
〇〇とは
〇〇 意味
など、用語の意味について調べるキーワードは、CVにつながりにくいです。
検索ユーザーの意図や、これまでの広告運用における結果などを考慮してキーワードを絞り込むことで、アカウント全体としてのCV率を改善できます。
ターゲットを変更する
LPへの流入元としてディスプレイ広告やSNS広告を活用している場合、広告を配信するターゲットを適切に設定することが、CV率を高めるために重要です。
ユーザーの年齢層や地域、興味・関心のあることがら、使用しているデバイスなどによって、CV率が異なります。これまでの運用結果をチェックし、CVにつながりやすいターゲットに絞って広告を配信するように設定を変更してみましょう。
また、過去にCVに至った人と行動パターンの近いユーザーに広告を表示する機能も、CV率を高める方法の1つです。
これらの方法で広告の設定を最適化し、CVにつながりやすいユーザーからのアクセスを集めましょう。
LPを改善してCVRを高める方法
ここからは、LPの改善によってCVRを高める方法について解説します。CVRを高めるための主な施策は次の通りです。
- ファーストビューを変更する
- キャッチコピーを変更する
- CTAを改善する
- 構成を変更する
- マイクロコピーを改善する
ファーストビューを変更する
ファーストビューは、LPにアクセスしたユーザーが最初に目にし、読み進めるか離脱するかが判断される重要な箇所です。そのため、CVRを改善する上では、まずファーストビューを最適化する必要があります。
ファーストビューで変更できる主な要素は、使用する画像や配色、CTAボタンの有無などです。
ファーストビューでは、何についてのLPかがわかりやすい画像を使用しましょう。例えば、ツールを紹介するLPであれば操作画面のキャプチャ画像、制作系のサービスなら成果物の画像などを配置すると、内容がすぐに伝わります。
コンサルティングなどの無形商材のLPでは、
〇〇の課題を一緒に解決しませんか?
といったキャッチコピーを目立たせるデザインが効果的です。
「資料ダウンロード」や「お申込みはこちら」など、行動を促すためのCTAボタンは、ファーストビュー内に配置するようにしましょう。何をアクションを促しているLPかがユーザーに伝わりやすくなり、CVへの導線をスムーズにすることが可能です。
キャッチコピーを変更する
CVRを高めるためには、キャッチコピーでユーザーの興味を引き付ける必要があります。LPで紹介しているのが何のサービスか、誰向けの商品かが瞬時にわかるようにすることが、キャッチコピーを改善するポイントです。
また、キャッチコピーで広告文と一貫したメッセージを伝えることによっても、ユーザーの興味を高められます。
LPのキャッチコピーについては、第4回目の講座で具体例を交えながら詳しく解説していますので、併せて参考にしてください。
CTA(コールトゥアクション)を改善する
CTAとは、ユーザーに対して行動を促すためのフォームやボタンのことです。ユーザーにとって使いやすいCTAにすることで、CVRの改善が期待できます。
例えば、LP内に入力フォームを設置しておくと、ページを遷移させる必要がなくなるため離脱されにくくなります。
また、CTAの近くにメリットを伝えるコピーを記載することも効果的です。資料をダウンロードすることでわかる情報や、問い合わせによって解決できる課題など、ユーザーにとってのメリットをフォームの上部などに記載しておきましょう。
高額な商材などを販売するLPでは、ユーザーの検討度合いに応じた複数のCTAを用意しておくと、CVRを改善できる場合があります。商品購入以外に、サービス資料や事例集のダウンロード、無料デモの申し込み、お問い合わせなどのCTAを設置してみましょう。
構成を変更する
LPの構成を変更し、何をどの順番で伝えるかを変えることも、CVRの向上につながる施策の1つです。
例えば、「顧客の声」の掲載位置をLPの上部に移すことで、商品・サービスで得られる成果がイメージしやすくなり、離脱を防げるかもしれません。また、LPの最後のパートであるクロージングの前に「導入・契約までの流れ」を追加すると、ユーザーの不明点を解消しCVRアップにつながる可能性があります。
LPを読み進めるユーザーの心理について仮説を立てながら、構成の改善に取り組んでみましょう。
BtoBでCVを獲得するためのLPの基本構成については、第1回の講座で詳しく解説しています。LPの構成について基本から学びたい方は、ぜひ参考にしてください。
マイクロコピーを改善する
マイクロコピーとは、CTAボタンの近くに記載する小さなテキストのことです。マイクロコピーを改善することで、LPのCVRを高められる場合があります。
例えば、「1分で入力完了!」や「3分でわかる」など、アクションの簡単さを訴求するとユーザーの行動を後押しできます。
まずはファーストビューやキャッチコピー、構成の順番など大きな部分を最適化した上で、さらなる改善施策としてマイクロコピーの変更に取り組んでみましょう。
LPの改善(LPO)に役立つツール
最後に、LPの改善に役立つツールを紹介します。次のようなツールを活用することで、今回紹介したようなLPの改善施策を効率的に進めることが可能です。
- LP制作ツール
- ヒートマップツール
- ABテストツール
- 表示速度チェックツール
LP制作ツール
LP制作ツールは、簡単な画面操作やテンプレートなどの機能でLPを作れるツールです。Webデザインやコーディングなどの専門知識が無くても使えるため、マーケティング担当者が自分でLPを作れるようになります。
ターゲットごとに最適化した複数のLPを量産したり、キャッチコピーや構成を簡単に変更したりできることがLP制作ツールを導入するメリットです。
ヒートマップツール
ヒートマップツールとは、LPがどこまでスクロールされたか、どのボタンがクリックされたかなどを視覚的に分析できるツールです。LPの中で注目を集めている部分や、ユーザーから離脱されている箇所などがわかります。
LPの構成やボタンのデザインなどを改善する際に、ヒートマップを使ってユーザーの行動を確認することがおすすめです。
ABテストツール
ABテストとは、コピーやデザインなどを変更した2つ以上の施策を実行し、より成果が高かったほうを残して改善する手法です。ABテストツールを使うと、あるURLにアクセスしたユーザーを複数のパターンのLPへ自動的に振り分けて、どちらのCVRが高いかを効率的に検証できます。
表示速度チェックツール
表示速度チェックツールとは、LPにアクセスしてからページの内容が表示されるまでの速度や、表示速度を高めるための改善点などをチェックできるツールです。
ユーザーの興味を引き、離脱を防ぐためには、できるだけスピーディにLPを表示させる必要があります。Googleが無料で提供している「PageSpeed Insights」などのツールを使うと、表示速度を確認することが可能です。
これらのツールを活用しながら、LPの改善を進めていきましょう。
LPのCVRを改善するポイントをおさらい
- 広告の費用対効果を高めるためにLPのCVR改善が重要
- 広告とLPの関連性やキーワード、ターゲットの変更がCVR改善につながる
- LPではファーストビューやキャッチコピーなど冒頭部分の改善が最優先
- CTAや構成、マイクロコピーの改善もCVRアップに有効
- ツールの活用でLPの改善を効率化できる
今回は、LPや広告を改善しCVRを高める方法について解説しました。
次回、第6回目の記事では、自社に合ったLP制作ツールの選び方について解説します。
全6回 LP制作の基礎講座
第1回 LP(ランディングページ)とは?成果を出すための基本知識と構成
第2回 LPの作り方を9ステップで解説!費用・期間・制作時の注意点
第3回 LPと広告の関係は?リスティング広告に合うLPの作り方
第4回 LPのキャッチコピーの作り方具体例を交えてポイントを解説
第5回 LP改善のチェックポイント| LPOに役立つツールも紹介(本記事)
第6回 LP作成ツールの選び方 | 失敗しないための注意点